社会課題の解決と
事業の成長を両立させるために、

企業は今、
何を果たすべきなのか。

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バリューチェーンの新潮流04

サステナビリティ経営が
生み出す価値

今、企業に求められている「サステナビリティ経営」。ダイワボウグループは、どのようなサステナビリティ経営によって価値創造を果たそうとしているのか。

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ダイワボウホールディングス株式会社
ESG推進室長
嶋村 貴史

1991年、ダイワボウ情報システムに新卒入社。SEを経て営業畑でキャリアを重ね、金沢支店長、特販営業部副部長、マーケティング部部長、東日本営業本部副本部長などを経て、2021年にダイワボウホールディングスに転籍。現在、新設されたESG推進室の責任者を務め、環境・社会・企業統治を軸として、サステナビリティ経営を確立させるための具体的な方針や戦略の策定をリードしている。

viewpoint

持続可能な社会に貢献できない企業は、
もはや自らも持続できない時代になりつつある

いまや、自社の利益だけを追求する企業は生き残れない時代になりつつある。事業活動を通じて環境問題をはじめとする社会課題に応え、サステナブル(持続可能)な社会の実現に貢献できない企業は、世の中から必要とされず、将来にわたって事業を継続することができない。そうした考え方のもと、昨今、先進的な企業が続々とサステナビリティ経営に取り組みはじめている。
サステナビリティ経営とは、社会課題の解決に寄与することで新たな経済価値を生み出し、事業の持続可能性を図る経営のことである。そして、サステナビリティ経営を実践する上で重要なキーワードがESG(※)だ。ダイワボウグループも今、このサステナビリティ経営を掲げてESGの推進に注力している。その指揮を執るESG推進室長の嶋村は語る。
「当社グループは『ESG視点での事業を通じた社会課題解決への貢献』を最も重要な経営テーマの一つに掲げています。サステナビリティ経営に求められるのは、ESGの推進によって、社会課題の解決と事業の成長を両立させることであり、我々が優先して取り組むべきマテリアリティ(重要課題)を設定し、グループを挙げて取り組んでいるところです」。

Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の頭文字を取った造語であり、環境や社会に配慮し、適切な企業統治のもとで事業を営むことを意味している。

数値では表しにくいESGへの取り組みを
いかにして評価し、推進力をあげていくか

では、ダイワボウグループは、事業を通してどのような社会課題を解決し、持続可能な社会との共生を図ろうとしているのか。
「マテリアリティの設定にあたっては、我々が社会に提供できる価値をグループ横断で議論し、10項目を抽出しました。特に『地域経済発展に向けた事業活動の推進』『持続可能な社会インフラへの貢献』『デジタル社会への貢献』というマテリアリティは、当社グループの事業に直結したもので、我々の独自性と強みを表していると思います」。
これらのマテリアリティへの取り組みは着実に実行されており、主力のITインフラ流通事業においては、地方創生を後押しすべく全国の法人へのDX教育サービスの提供などに取り組んでいる。また、産業機械事業においては、脱炭素社会に向けて、次世代エネルギーの発電設備関連の製造などに高度な技術力で貢献している。一方、ESGの推進には難しさもあると嶋村は言う。
「ESGの取り組みは、売上高や営業利益など財務情報とは異なり、我々が社会にもたらした価値には質的な要素も含まれ、単純に数値化できないものも多く明確なゴールが定めづらい。ともすれば、推進力の低下が懸念されるため、適切な指標や評価基準の明確化、そして活動の効果をモニタリングするための仕組みづくりにも力をいれています」。

サステナビリティ経営を
社内に浸透させるために
サステナビリティ経営に対する社内の理解を深めるため、グループ共通のESGポータルサイトを活用してその重要性や果たすべき役割を伝え、社員全員に自分ごととして捉えてもらう情報発信を強化している。今後は、社内各所で勉強会やタウンホールミーティングなども開催し、さらなる周知を図っていく方針だ。

strategy

お客さま、取引先、投資家からの信頼を高め、
永続的に社会に価値を提供し続けられる企業へ

ESGを必須として事業を営むことが、これからの時代、持続可能なビジネスモデルを構築する能力を持っていることの証明になる。その結果として、お客さまや取引先、投資家からの信頼が高まり、社会に貢献し続けられる存在となると嶋村は訴える。そして、このような取り組みに注力するのは、未来のダイワボウグループを担う人材に、自己成長と社会貢献を同時に実現できる環境を提供し続けたいという想いも強いと彼は言う。
「当社グループは『未来を創る人材価値の最大化』も重要な経営テーマに掲げています。変化を恐れず、常に新たなアイデアを持ち、リーダーシップを発揮して社会にポジティブな影響をもたらしていく、そんな人材の集団になることを目指しています」。
こうした志のもと、ダイワボウグループは新たな挑戦を次々と繰り広げていこうとしている。例えば、全国の取引先と解決すべき社会課題を共有し、新たな経済価値を創造することや、取引先に環境や人権に配慮したビジネスを要請し、ESGの知見が不足している中小サプライヤーの支援などにも努めていく。グループのパーパスである「バリューチェーンで人をつなぐ、社会をつなぐ、未来へつなぐ」で標榜している通り、バリューチェーン全体で持続可能な社会の実現に全力を傾け、未来永劫、社会においてなくてはならない企業になるために、ダイワボウグループは絶えず自らを変革していく。